理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター RIKEN Center for Life Science Technologies

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研究・技術

細胞動態解析ユニット

先進的光学顕微鏡技術が解き明かす生体分子のはたらき

 

※2018年4月の組織改編により、当研究室は生命機能科学研究センターの所属になりました。最新の情報は下記よりご覧ください。
> 生命機能科学研究センター 分子細胞動態研究ユニットのページ

ユニットリーダー
清末 優子   Ph.D.

〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町2-2-3
Tel: 078-306-3224

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>>> Lab Site

研究内容

私たちは、当研究室が運営する共同利用イメージング施設を駆使ししながら、生命活動を担う生体分子のはたらきを解明し、ひとの健康寿命延伸への貢献を目指しています。生体を形づくるひとつひとつの細胞の活動もまた、細胞内インフラ構造によって支えられています。私たちは、物質運搬を担う細胞内インフラ“微 小管”を制御する分子機構に特に着目し、細胞モデルとマウスモデルを用いた解析を進めています。従来技術では見ることができない生命現象をとらえるため、 顕微鏡技術開発も行っています。

1) 生命活動を駆動する細胞内マシナリの機能解析

微小管細胞骨格の配置制御は細胞内輸送や染色体分配の要です。そのファインチューニングが正常な細胞の運動、形態形成や細胞分裂を支えており、一方で異常 な制御が疾患の原因となります [2-10]。私たちは、微小管の配置を調節する分子群(図1)の細胞内でのはたらきがいかに正常な発生あるいは疾患につながっているのか、マウスの表現 型解析とin vitro細胞生物学による分子機能解析から解明し、生命機能の理解を深めると同時に医学への貢献を目指しています。

2) 格子光シート顕微鏡の構築と細胞動態三次元解析

米国ハワード・ヒューズ医学研究所のBetzig研究室で開発された格子光シート顕微鏡(Lattice Light Sheet Microscope)は、1秒以内に細胞をまるごと高解像スキャンすることができる、従来の限界を大幅に超えた革新的技術です [1]。私たちはこの顕微鏡で、分裂する細胞の微小管と染色体の動きをかつてない精度で三次元的に捉えることに成功しています(図2)。細胞分裂をはじめ とする細胞現象の、高時空間分解能三次元情報に基づいた解析を実現するため、この顕微鏡の国内導入の取り組みを進めています。

3) 共同利用イメージング施設の運用

当研究室では、神戸に設置されている共同利用イメージング施設 Riken Kobe LIGHT MICROSCOPY FACILITY(kLMF)を運用しています。kLMFでは、約20機種のハイスペック光学顕微鏡システムと画像解析ソフトウェアを提供しています。

論文

1

Three-dimensional tracking of plus-tips by lattice light-sheet microscopy permits the quantification of microtubule growth trajectories within the mitotic apparatus

Yamashita N, Morita M, Legant WR, Chen BC, Betzig E, Yokota H, Mimori-Kiyosue Y
J Biomed Opt., 20(10), 101206 (2015).
2

Lattice light-sheet microscopy: imaging molecules to embryos at high spatiotemporal resolution.

Chen BC, Legant WR, Wang K, Shao L, Milkie DE, Davidson MW, Janetopoulos C, Wu XS, Hammer JA rd, Liu Z, English BP, Mimori-Kiyosue Y, Romero DP, Ritter AT, Lippincott-Schwartz J, Fritz-Laylin L, Mullins RD, Mitchell DM, Bembenek JN, Reymann AC, Böhme R, Grill SW, Wang JT, Seydoux G, Tulu US, Kiehart DP, Betzig E
Science, 346(6208), 1257998 (2014).
3

Improving spinning disk confocal microscopy by preventing pinhole cross-talk for intravital imaging.

Shimozawa T, Yamagata K, Kondo T, Hayashi S, Shitamukai A, Konno D, Matsuzaki F, Takayama J, Onami S, Nakayama H, Kosugi Y, Watanabe TM, Fujita K, Mimori-Kiyosue Y.
Proc Natl Acad Sci U S A, 110(9), 3399-3404 (2013).
4

Dissecting the nanoscale distributions and functions of microtubule-end-binding proteins EB1 and ch-TOG in interphase HeLa cells.

Nakamura S, Grigoriev I, Nogi T, Hamaji T, Cassimeris L, Mimori-Kiyosue Y.
PLoS One, 7(12), e51442 (2012).
5

Shaping microtubules into diverse patterns: molecular connections for setting up both ends.

Mimori-Kiyosue Y.
Cytoskeleton (Hoboken), 68(11), 603-618 (2011).
6

Laminin-based cell adhesion anchors microtubule plus ends to the epithelial cell basal cortex through LL5α/β

Hotta A, Kawakatsu T, Nakatani T, Sato T, Matsui C, Sukezane T, Akagi T, Hamaji T, Grigoriev I, Akhmanova A, Takai Y, Mimori-Kiyosue Y
J Cell Biol, 189(5), 901-917 (2010).
7

CLASP1 and CLASP2 bind to EB1 and regulate microtubule plus-end dynamics at the cell cortex.

Mimori-Kiyosue Y, Grigoriev I, Lansbergen G, Sasaki H, Matsui C, Severin F, Galjart N, Grosveld F, Vorobjev I, Tsukita S, Akhmanova A.
J Cell Biol, 168(1), 141-153 (2005).
8

Search-and-capture of microtubules through plus-end-binding proteins (+TIPs).

Mimori-Kiyosue Y, Tsukita S.
J Biochem, 134(3), 321-326 (2003).
9

The dynamic behavior of the APC-binding protein EB1 on the distal ends of microtubules.

Mimori-Kiyosue Y, Shiina N, Tsukita S.
Curr Biol, 10(14), 865-868 (2000).

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メンバー  *:兼務

CLSTは、2018年4月1日からの理化学研究所第4期中期計画により、3つのセンターに改組されました。細胞動態解析ユニットの最新の情報は、下記よりご覧いただけます。


▶ 生命機能科学研究センター 分子細胞動態研究ユニット[http://www.bdr.riken.jp/jp/research/labs/kiyosue-y/index.html]