理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター RIKEN Center for Life Science Technologies

トピックス一覧

  • 研究成果

    CLSTから発表された最新の研究成果をご紹介します。
  • おしらせ

    受賞や協定の締結など、CLSTからのお知らせを掲載します。
  • イベント

    セミナーやシンポジウムなど、各種イベントをご紹介します。

一般の方へ

一人でも多くの方にCLSTの研究を知っていただくために、4つのコンテンツを集めました。
「読む」では研究者のインタビューや講演録などの記事を、「視聴する」では動画をご覧いただけます。「会いに行く」では、実際に研究者と会って話せるイベントをご案内します。「勉強する」は、研究内容をもっと深く知りたい方向けのコンテンツです。
  • 読む
  • 会いに行く
  • 視聴する
  • 勉強する

研究・技術

エピジェネティクス制御研究ユニット

エピジェネティクスを制御して、細胞機能を自由自在に

 

※2018年4月の組織改編により、当研究室は生命機能科学研究センターの所属になりました。最新の情報は下記よりご覧ください。
> 生命機能科学研究センター エピジェネティクス制御研究ユニットのページ

ユニットリーダー
梅原 崇史   Ph.D.

〒230-0045 神奈川県横浜市鶴見区末広町1-7-22-W221
Tel: 045-503-9457

1_9_umehara.png

研究内容

エピジェネティクス(後成遺伝学)は、先天的な遺伝情報に「後付け」される生命情報を扱う研究分野です。この「後付け」は、ヌクレオソームと呼ばれるゲノムDNAとヒストンタンパク質の複合体に対する化学修飾が主な実体です。エピジェネティクスはがんや生活習慣病などの疾病に関わることから、創薬標的として注目を集めています。エピジェネティクス制御研究ユニットでは、様々なエピジェネティクス情報を持つヌクレオソームを精密に再構成・検出する技術を開発し、ヒトのエピジェネティクス状態を試験管内で再現することをめざします。さらに、エピジェネティクスを制御する分子の開発を通して、細胞の機能や疾病を制御することをめざします。

エピジェネティクスの再現(再構成)

「遺伝暗号拡張技術」と「無細胞タンパク質合成技術」を組み合わせて合成したアセチル化ヒストンH4タンパク質。ねらった位置に精密にアセチル化修飾を導入したことを質量分析で確認している。 この技術により、右側に示したような「遺伝子発現が活性化しているクロマチン」を試験管内で精密に再構成することが可能になった。

エピジェネティクスの理解

がんや動脈硬化の発症に関わるBRD2タンパク質の立体構造解析。

エピジェネティクスの制御

タンパク質の立体構造に基づいて開発したヒストン脱メチル化酵素阻害剤S2101。エピジェネティクスを制御する試薬として市販されている。

論文

1

Crystal structure of eukaryotic translation initiation factor 2B

Kashiwagi K, Takahashi M, Nishimoto M, Hiyama TB, Higo T, Umehara T, Sakamoto K, Ito T, Yokoyama S
Nature, 351(7592), 122-125 (2016).
3

Lysine-specific demethylase LSD2 suppresses lipid influx and metabolism in hepatic cells.

Nagaoka K, Hino S, Sakamoto A, Anan K, Takase R, Umehara T, Yokoyama S, Sasaki Y, Nakao M.
Mol Cell Biol, 35(7), 1068-1080 (2015).
4

Multiple site-specific installations of Nε-monomethyl-L-lysine into histone proteins by cell-based and cell-free protein synthesis.

Yanagisawa T, Takahashi M, Mukai T, Sato S, Wakamori M, Shirouzu M, Sakamoto K, Umehara T, Yokoyama S.
ChemBioChem, 15(12), 1830-1838 (2014).
5

Structures of histone methyltransferase SET7/9 in complexes with adenosylmethionine derivatives.

Niwa H, Handa N, Tomabechi Y, Honda K, Toyama M, Ohsawa N, Shirouzu M, Kagechika H, Hirano T, Umehara T, Yokoyama S.
Acta Crystallogr D Biol Crystallogr, 69(Pt4), 595-602 (2013).
6

FAD-dependent lysine-specific demethylase-1 regulates cellular energy expenditure.

Hino S, Sakamoto A, Nagaoka K, Anan K, Wang Y, Mimasu S, Umehara T, Yokoyama S, Kosai K, Nakao M.
Nat Commun, 3, 758 (2012).
7

Real-time imaging of histone H4K12-specific acetylation determines the modes of action of histone deacetylase and bromodomain inhibitors.

Ito T, Umehara T, Sasaki K, Nakamura Y, Nishino N, Terada T, Shirouzu M, Padmanabhan B, Yokoyama S, Ito A, Yoshida M.
Chem Biol, 18(4), 495-507 (2011).
8

Crystallographic study of a site-specifically cross-linked protein complex with a genetically incorporated photoreactive amino acid.

Sato S, Mimasu S, Sato A, Hino N, Sakamoto K, Umehara T, Yokoyama S.
Biochemistry, 50(2), 250-257 (2011).
9

Structurally designed trans-2-phenylcyclopropylamine derivatives potently inhibit histone demethylase LSD1/KDM1.

Mimasu S, Umezawa N, Sato S, Higuchi T, Umehara T, Yokoyama S.
Biochemistry, 49(30), 6494-6503 (2010).
10

Structural basis for acetylated histone H4 recognition by the human BRD2 bromodomain.

Umehara T, Nakamura Y, Jang MK, Nakano K, Tanaka A, Ozato K, Padmanabhan B, Yokoyama S.
J Biol Chem, 285(10), 7610-7618 (2010).

>>>すべて見る

メンバー  *:兼務

CLSTは、2018年4月1日からの理化学研究所第4期中期計画により、3つのセンターに改組されました。エピジェネティクス制御研究ユニットの最新の情報は、下記よりご覧いただけます。


▶ 生命機能科学研究センター エピジェネティクス制御研究ユニット [http://www.bdr.riken.jp/jp/research/labs/umehara-t/index.html]